回復のペースに注目したい米国

回復のペースに注目したい米国

米国の景気は回復するのか。回復するとすれば、いつ、どんなペースなのか。世界経済の見通しを立てる上で大きな論点が量的緩和第2弾終了後の米国経済の行方だ。

 

米国の景気停滞は、東日本大震災による供給網の寸断や原油などの資源価格の高騰によるもので、その影響は限定的だと捉える声は多い。再び景気拡大へ歩みだし、リスク回避が解消し長期金利も上昇するとの前提から為替はドルが強くなるとの説がひとつ。回復したとしてもペースは緩慢であり、低金利政策はしばらく続くであろうし、世界的なカネ余りからキャリートレードの資金調達通貨として売られ、ドルは弱くなるとの説がひとつ。

 

米国の景気は停滞が長期化、もしくは後退するとのシナリオもある。2011年末時点で1ドル86円程度の見通しこそ示しているものの、不安材料がないわけではない。

 

注目しているのは、米国の財政赤字削減交渉。「連邦債務残高を引き上げる法案を可決させることとセットで動いているため、仮に財政引き締め策が決定されると、景気の再浮揚が遅れ量的緩和期待の高まりでドル安円高となる」との可能吐を指摘する。

 

米国の労働市場や住宅市況の低迷は構造的な問題も根深い。8月以降の雇用統計(月初発表)やFOMC(米連邦公開市場委員会)が発する金融政策(引き締め、緩和)の方向感には引き続き注意を向けたい。